新NISAを始めた人の多くは、積み立てる方法については一生懸命調べたはずです。ところが「いつから、どう取り崩すか」という出口の話になると、急に情報が少なくなります。実際、職場の同僚や家族にNISAの話を聞いても、出口まで具体的に考えている人はほとんどいません。
出口を考え始めると、次に出てくる悩みが「誰に相談すればいいのか」です。FPとIFA、どちらに相談すべきかわからないまま放置している方も多いのではないでしょうか。さらに、「相談先を間違えて、余計な商品を勧められたらどうしよう」という不安もあると思います。
私自身、定年まで6年を切ったころ、同僚から「NISAの出口、もう考えてる?」と聞かれて何も答えられませんでした。調べ始めて最初にぶつかったのが、FPとIFAという言葉の違いです。
この記事では、FPとIFAの違いを整理したうえで、自分に合った相談先の見分け方と、安心して相談に進むための準備の仕方までをまとめます。読み終えるころには、自分がどちらに相談すべきか、そして何を準備して臨めばいいかがわかるはずです。
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FPとIFAは、何が違うのか?
FPは「家計全体の設計士」
FP(ファイナンシャルプランナー)は、税金・保険・住宅ローン・教育費・老後資金など、家計全体を横断的に見て相談に乗ってくれる専門家です。国家資格であるFP技能士、または民間資格のCFP・AFPを持つ人が多く、相談内容は資産運用に限りません。
FPは基本的に金融商品の売買そのものを行う立場ではなく、助言が中心になります。
IFAは「資産運用の実行支援者」
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、金融庁に「金融商品仲介業者」として登録された専門家です。実際に投資信託や株式の売買を仲介できる点が、FPとの大きな違いになります。
特定の証券会社や銀行に所属していないため、複数の金融機関の商品を横断的に比較しながら提案を受けられるのが特徴です。
こんな人はFP、こんな人はIFA
文字だけの説明では自分に当てはめにくいと思うので、具体的な状況で整理します。
FP相談が向いている人
- 退職金がいくら出るか把握できておらず、まずそこから整理したい
- NISA以外に、企業年金・個人年金・退職金など複数の資金が絡んでいて、全体を俯瞰したい
- 取り崩したお金で税金や社会保険料がどう変わるのか不安がある
- そもそも「何から考えればいいのか」が漠然としている
IFA相談が向いている人
- 取り崩しの方針(時期・金額)はある程度決まっていて、実際の売却を相談したい
- 保有している投資信託や株式の銘柄が複数あり、どの順番で売るか具体的に決めたい
- NISAの非課税枠を無駄にしない売り方を知りたい
- 特定の金融機関に偏らない、中立的な商品比較を受けたい
どちらにも当てはまる、あるいはどちらかわからないという方は、まず家計全体を整理できるFPから入り、方針が固まった段階でIFAに進むという順番が現実的です。
無料相談、何に注意すればいいのか?
無料相談と聞くと、「結局何かを売りつけられるのでは」と身構えてしまう方も多いと思います。私自身も最初はそうでした。ここでは、注意すべき相談先の特徴と、良い相談先を見分けるための質問、相談前の準備をまとめます。
こんな相談先には注意する
- 初回面談の前に、商品名や金額を具体的に聞いてくる(まだ何も決めていない段階で売る商品を決めようとしている)
- 「今日中に決めたほうがいい」など、即決を急がせる
- 質問に対して、メリットの説明ばかりで、デメリットやリスクの説明がほとんどない
- 金融庁の登録状況や所属会社を尋ねても、はっきり答えない
良い相談先を見分ける3つの質問
面談の最初に、この3つを聞いてみてください。答え方で相談先の姿勢がわかります。
- 「あなたはどこで収益を得ていますか?」 販売手数料なのか、相談料なのか、残高に応じたフィーなのか。隠さず答えてくれるかを見ます。
- 「この提案のデメリットは何ですか?」 メリットしか言わない相談先は要注意です。
- 「他の選択肢と比べてどうですか?」 特定の商品ありきではなく、比較した上での提案かを確認します。
相談前に準備しておくこと
準備があるかないかで、面談の中身が大きく変わります。次の3つだけでもメモしてから臨んでください。
- 取り崩しを始めたい時期(例:60歳から、65歳から)
- 月あたりどのくらい取り崩したいか(ざっくりでよい)
- 今NISAで保有している商品の種類(投資信託か個別株かなど)
完璧な答えを用意する必要はありません。「まだ決まっていない」という回答でも構いませんが、何が決まっていて何が決まっていないかを自分で把握しておくだけで、相談の質が上がります。
無料相談には、面談形式だけでなく、まず自分の考えを話すインタビュー形式の窓口もあります。いきなり踏み込んだ相談をするのが不安な方は、こうした形式から始めるのも一つの方法です。
相談すると、何が変わるのか?
相談したからといって、必ず正解が手に入るわけではありません。それでも、相談前と後では次のような違いが出てきます。
- 「いつ・いくら取り崩せば生活が成り立つか」の見通しが立つ
- 漠然とした不安が、「決まっていること」と「まだ決めること」に整理される
- NISAの売却順序など、自分では調べきれなかった具体的な選択肢を知れる
- 「結局誰かに相談しないと前に進めない」というモヤモヤから抜け出せる
相談したからといって、その場で何かを契約する義務はありません。話を聞いて、合わなければ別の窓口を試せばよいだけです。
まずは小さく動いてみる
ここまで読んで、「相談してみようか」と思っても、いきなり問い合わせるのはハードルが高いと感じる方も多いと思います。次のような順番で進めると、無理なく一歩を踏み出せます。
ステップ1: 自分の状況を3行で書き出す さきほどの「相談前に準備しておくこと」の3項目を、メモ帳でもノートでも構わないので書き出してみてください。これだけで、自分がFP向きかIFA向きかがある程度見えてきます。
ステップ2: 自分に合う相談形式を選ぶ じっくり家計全体を整理したいならFP、取り崩しの実務を相談したいならIFA、まだ何も決まっていないなら、まず話を聞いてもらうインタビュー形式から始めてみてください。
ステップ3: 問い合わせる ステップ1で書き出した内容を持って、相談窓口に問い合わせます。完璧な準備でなくて構いません。
FP相談はどこで探せばいいか?
FPを探す方法はいくつかありますが、代表的なものを挙げておきます。
- 日本FP協会の「CFP・AFP検索」(無料・所属資格者を地域から検索可能)
- オンライン完結型のFP相談窓口
オンライン相談窓口を利用する際の注意点として、保険会社が運営する窓口の場合、保険商品の提案が主目的になっているケースがあります。NISAの出口相談が目的であれば、その点を最初に伝えておくとスムーズです。
LINEで気軽に相談を始められるFP相談窓口もあるので、まずメッセージで状況を伝えてみるところから始めるのも一つの方法です。
オンラインで無料相談できる窓口の一例
「いきなり個別相談はハードルが高い」という方は、まずお金の基礎をオンラインで学べる無料セミナーから始める方法もあります。カメラオフ・30分程度で、NISAやiDeCo、将来のお金の考え方を動画形式で視聴できます。もう少し踏み込んで自分のケースを相談したくなったら、同じ窓口で個別のオンライン相談に進むこともできます。
まとめ:FP・IFA、結局どう使い分ければいいか
- 家計全体(税金・保険・生活費)を整理したいなら → FP
- NISAの売り方・売る順番を具体的に決めたいなら → IFA
- 良い相談先かどうかは、「収益源」「デメリット」「他の選択肢との比較」の3つを聞けば見えてくる
- 相談前に「時期・金額・保有商品」の3つだけメモしておく
- 1回で決めず、複数の専門家に話を聞いて比較してよい
今日できるアクション さきほどの「ステップ1」にある3項目(取り崩し時期・月あたりの金額・保有商品の種類)を、3行でいいのでメモしてみてください。それだけで、自分がFP向きかIFA向きか、次に何をすればいいかが見えてきます。
メモができたら、その内容を持って一度プロに相談してみるのが次の一歩です。オンラインの無料相談なら、書き出した3行を見せながら話すだけで進められます。
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54歳・メーカー経理勤務。つみたてNISAから積み立てを続け、52歳の人間ドックを機に出口戦略の研究を開始。金融庁・厚労省・国税庁などの公開資料をもとに、定年前後の会社員目線で出口戦略を発信しています。投資助言ではなく、同じ立場で悩む方への情報整理が目的です。

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